自民党市議団行政視察(和歌山市・静岡県掛川市)報告

 

【和歌山市】

調査日程 : 平成30年1月23日(14:00~16:30)
調査場所 : 和歌山市 産業まちづくり局 産業部 商工振興課
調査項目 :「リノベーションまちづくり事業」について
説明者  : 課長、副主査

 和歌山市議会議長 古川 まさのり 議長に出迎えを頂き、恐縮する中での研修を致しました。約1時間30分の室内研修を受け、その後に約1時間の現地での自主視察を行いました。

○「リノベーションまちづくり事業」研修内容和歌山01
 いま全国で、エリアマネジメント、リノベーションまちづくり、道路・水辺・公園の公共空間を活用した都市の賑わいづくりなど、官民連携のもと、民間主体のまちづくりが広がっています。
 こうした中で、和歌山市では、増え続けている市中心部の遊休不動産を再生・活用して、機能や性能を向上させ、街に雇用と産業を生み出しエリアの魅力を高めることを目的に、公民連携のもと、リノベーションまちづくりに取組んでおり、全国でも先進的な取組みがなされています。
 平成25年度からリ和歌山03ノベーションスクールを6回開催し、これまでに約180名が受講。スクール参加者も20~30代が多く、これからの和歌山市の活性化を目指した、意欲ある人材が参加されているとのことであった。それぞれ3日間のスクール参加料15千円~20千円での参加という事である。リノベーションスクールの成果として、平成26年度から2和歌山049年度の4年間で、家守会社5社が設立されている。また、リノベーションスクールの提案の事業化が7件、その他の物件でスクール受講生が携わり事業化されたものが11件あり、まちなかのコンテンツが充実してきているとのことである。リノベーションスクールが契機となり、受講生等が商店街や道路、河川を活用したイベントを開催。商店街の空き店舗でも、波及的に新たな事業が相次いで実施されている。
 一方において、リノベーションに取組むには、不動産オーナーの理解が必要となるわけであるが、いかに志のある不動産オーナーを確保できるかが、これからの課題となっているようである。不動産オーナーのスクール参加を働きかけ、理解を深めて頂くのも行政の大きな役割となっているようである。
 いま、和歌山市においては、小中一貫校の開校や3大学の誘致、市民図書館・市民会館の移設リニューアルが進んでいることもあり、リノベーションまちづくりには、さらなる拍車がかかるものと期待が膨らんでいるようである。
 リノベーション対象エリアの現地視察では、シャッターの閉まった店舗が数多くみられた。また、対象エリアが広すぎる難点もあることが感じられた。このエリアの中でも、重点エリアを定め、取組むことが更なる効果を上げることになるのでは、と感じるところであった。

(所 感)
 人口約360千人の和歌山市は、江戸時代からの城下町としての都市骨格は色濃く残っている。さらに、戦後の成長期に大いに賑わったまちなかの建物・インフラなどの豊富な空間的な資源が街中に数多く残されている。一方においては、城下町ならではの豊富なコンテンツが失われていると、言われているようである。こうした状況を打破するため、城下町としてのハードをリノベーションすることにより、新たなライフスタイルの創造や、都市型コミュニティの形成を目指している。こうした行政の民間主導によるリノベーション推進と、地域住民の地域活性化に向けた志ある人の思いが、うまくマッチングして短期間において、まちづくりの担い手が育成されたものであろうと、感じるところである、本市においても、近年、リノベーションの取組みがなされてきているが、和歌山市的な公民連携がなされているものか、考えさせられるところである。


【静岡県掛川市】


調査日程 : 平成30年1月24日(水)午後3時~4時30分
調査場所  : 「中部ふくしあ」内
調査項目  :  地域健康医療支援センター「ふくしあ」について
説明者   :  健康福祉部地域医療推進課地域医療推進係 主査 、西部ふくしあ所長

○説明内容
平成28年3月 議会発議による「掛川市健康医療基本条例」の制定
平成29年5月23日 かけがわ生涯お達者市民宣言

(1)掛川市における地域包括ケアシステム構築について掛川01
(2)地域包括ケア
(3)取組の基になった危機感
・地域医療の危機
・家族構成・変化への対応
・社会変化への対応
・垣根のない支援の必要性
(4)地域完結型医療体制整備と地域包括ケアシステムの構築
・二次医療(二次救急)中東遠総合医療センターの開所によって
退・転院支援連携強化
(5)医療・保健・福祉・介護・教育の中核ゾーン『希望の丘』
・希望の丘運営委員会を設置し、官・民・地域による協働の活動実践。
(6)地域健康医療支援センター「ふくしあ」
・医療・保健・福祉・介護を多職種連携により総合的な在宅支援を行う地域拠点施設
・第4回健康寿命を延ばそう!アワード厚生労働大臣優秀賞受賞
(7)ふくしあのエリア 地域性を勘案し、市内5か所に設置
(8)特徴1 多職種連携
(9)特徴2 執務室のワンフロア化
(10)特徴3 アウトリーチの重視
(11)特徴4 垣根のない支援
(12)特徴5 予防的支援を重視した支援
(13)ふくしあの支援活動事例
①在宅看取りを中心に家族全体を支えた事例
②精神障害の息子と高齢の両親を支えた事例
(14)地域と連携することで見えたこと
・定期的な各職種の地域ケア会議の開催
・多職種の関わりで連絡から連携へ強化
(15)ふくしあの成果と課題
成果1複合型ケースへの対応能力向上
成果2地域に根ざした予防活動の推進
成果3訪問看護による在宅医療の拡充
課題1総合支援体制の更なる強化
課題2地域医療の連携強化
課題3地域と協働して地域力アップ

(所感)
地域包括ケアの推進は、少子高齢化が進む中、全ての自治体で取り組んでいる可及的重要な課題でありますが、行政のスリム化が進む中で、拠点施設を整備し、医療・保健・福祉・介護について、訪問看護ステーション、社会福祉協議会、地域包括支援センター、掛川市役所地域医療推進課という4つの団体が、民間、行政の垣根を超えて人員を配置し、同じフロアーで執務するという体制を整備されたことは、逆行することではありますが、住民にとっては、利便性の高い大変あり難い取り組みであると思料致します。
平成22年先ず、「東部ふくしあ」開所から平成27年「中部ふくしあ」開所は、医療・保健・福祉・介護・教育の中核ゾーンとなる「希望の丘」のグランドオープンと一緒で、専門職を配置し、様々な相談と予防活動と意識啓発活動の体制が整ったことになります。
こうした横断的なつながりが官民の間で出来てきたことが、縦割りと批判されがちな行政の中においても、横断的なつながり、取組につながり、成果が表れた点でもあります。
広報や実績が上がるにつれ、相談件数が増えてきており、相談内容も複雑化しておりますが、アウトリーチ(地域から情報を得る)を重視することによって、早期発見が可能になってきたとのことであります。
今後の課題としては、若年層時期からの支援の必要性、予防的活動の重要性、社協やまちづくり協議会等地域との更なる連携強化を図ることをあげておられます。
「ふくしあ」という花は、水を上げすぎれば腐ってしまい、足りなくても枯れてしまう。多くの力を結集できる「ふくしあ」の総合支援だからこそ、この花と同様にその人や家族の持つ力を生かして支援を行っていかなければなりません。
本市におきましても、地域包括ケアの推進に向けて、各包括支援センターを中心に地域包括支援ネットワーク実務者会議を開催されています。
掛川市の取組みを参考に考えると、新たな拠点施設を整備することは困難と思われるので、各包括支援センターの相談内容を詳細に分析し、専門職の配置等相談体制を更に充実させることを検討すべきと考えます。
今後、一層進んでいく少子高齢化、医療費や介護費用は止まる所を知りません。地域の持つ力をどう生かし、高めていくかが鍵だと思われます。