自民党鹿児島市議団行政視察(札幌市・岩見沢市)報告

 

IMG_2291【札幌市】
1.調査項目
 円山動物園リニューアルについて
2.日時・場所
 平成26年5月28日
 午前10時~11時30分
 札幌市円山動物園
3.説明者
 札幌市環境局 円山動物園
 経営管理課長(副園長)
 経営管理課経営係長
4.説明内容
 近年、世界的にも動物園自体の役割や使命が変化してきており、環境教育、種の保存、調査研究の役割を果たすことが期待されている。
 札幌市は平成19年3月に基本理念を「人と動物と環境の絆を作る動物園」と定めた円山動物園基本構想を策定し、平成20年8月に、概ね10年間の長期計画と平成23年度までの短期計画を兼ねた円山動物園基本計画を策定しています。
 平成23年度で短期計画期間が終了したことに伴い、新たに現状の課題、社会経済環境の変化及び環境配慮型社会の進展などを考慮して、基本計画を改定しています。
 円山動物園の基本理念である「人と動物と環境の絆を作る動物園」の実現の為、「人と人とのコミュニケーションの拠点」として活用しながら、来園者増の取組みを実施しています。
 動物園の存在意義を高める事業として、体験する環境教育・野生動物を復元するための飼育・札幌市の施策のショーウィンドウに取組んでいます。
 また、円山動物園を特徴づけ際立たせる事業として、アニマルファミリー制度の拡充、動物園の森を活用した体験プログラムの実施、地下鉄からの案内サイン等の充実を図っています。IMG_2300
動物園のリニューアルもエゾシカ・オオカミ舎、は虫類・両生類館、アジアゾーン、まるっぱをオープンさせ、今後の計画としてアフリカゾーンの整備、ゾウ導入検討調査、サル山の改修、新ホッキョクグマ・アザラシ館の建設が計画されています。
平成17年度の入園者数は49万人と過去最低を記録したそうですが、このままでは動物園は維持できないという事から、全職員の意識改革、外部委員会「リスタート委員会」、基本構想策定などにより、新たな挑戦をはじめ、平成25年度においては96万人の入園者を数えるほどになっています。
 クロスメディア戦略の展開、オリジナルイベントの実施、魅力的な施設の整備、冬の魅力を伝えるプロモーションの展開、夜の動物園の魅力アップなどの集客施設としての実力を高める事業に取り組んでいます。
5.所感
 円山動物園は、動物園の使命は環境教育、種の保存、調査研究の役割を果たすことが期待されることから、所感を環境局に置いていることに驚きを感じたところである。
 円山動物園の特徴は、都心に近い・円山原生林に隣接・円山エリアの中核施設・札幌市の観光施設である。来園者は道内が91パーセントを占めるとおり、リピート数が多いのが特徴でもある。
 多様化する動物園の社会的役割というものを念頭に置き、様々な工夫がなされている。体験メニューも54件組まれており、子供から大人まで楽しむことができているようである。
 研修の中で感じ取れたものは、動物園の飼育職員が献身的な市民サービスに努めていること、様々なアイディアの提供等、職員全体の意識改革がなされていることを痛感したところである。
 本市の動物園にあっては、他の園をまねする必要はないと思うが、平川動物園の特徴を十分に生かした各種イベントを実施し、子供から大人までも楽しめる、動物園の経営を目指してほしいと感じたところである。

 

【岩見沢市】駅前広場
1.調査項目
 ・岩見沢駅舎改築・駅周辺整備事業について
 ・あんしん住まいづくり助成事業について
2.日時・場所
 平成26年5月29日 
 午前10時~11時30分
 岩見沢市役所、岩見沢駅
3.説明者
 岩見沢市議会 副議長
 議会事務局 議事係
 建設部 都市計画課課長
4.説明内容
①駅舎整備経過IMG_2315
 岩見沢市が北海道と協力して駅前広場の      整備に着手した2000年12月、3代目の駅舎が焼失した。
 当初、駅前広場整備計画の中に、駅舎の改築は含まれていなかったが、JR北海道としては、焼失した駅舎の建設をしなければならなくなった。市は、その再建に向け、JR北海道との協議を重ね、2004年3月、新駅舎を市民の様々な活動の場として各種サービスを提供する市の公共施設と合築した複合駅舎とする方針をまとめ、同時に鉄道によって南北に分断された地域の交流を図り、中心市街地の均衡ある発展を促すため、駅南北を結ぶ自由通路の整備を決めた。
②整備内容
≪設計について、一般公募型コンペを実施≫
 JRグループでは全国初の試みとなる「岩見沢駅舎建築デザインコンペ」を実施、全国から376案の応募があり、最優秀賞を受賞した(株)ワークヴィジョンズ(代表:西村浩)の案に基づいて設計と建設を決めた。
≪市が建設、所有する施設≫
 ◎有明交流プラザ
  市民サービスステーション、センターホール、市民ギャラリー、パスポート窓口、法律相談センター
 ◎屋内自転車駐輪場
  駐車台数:738台(3F建)全て契約済み
  供用期間:4/1 ~ 11/30
  開館時間:6:00am ~10:00pm
  使用料金:一般5,000円/season
        学生/3,300円/season
  冬季保管料:1,600円/一冬
        冬は道路が凍結するので預けておく
 ◎自由通路
  床面積 716㎡、幅=6m、長さ=98m自由通路
  線路とホームを横断する形で建設された                 自由通路は、JRとかなり協議をした上で実       現したものである。
  自由通路内では、自転車には乗らず降りて押して歩くよう注意喚起している。通路の扱いは道路で、市道認定し、管理は道路管理者が指定管理に委託している。
 明るい空間になっているので、現在まで、犯罪件数は0である。
 鉄道ファンが、列車を見に、あるいは撮影に来ることも多く、通路でイベントも開催している。
③建設費
 岩見沢市負担 有明交流プラザ約 9億円
           有明連絡歩道 約15億円
 JR北海道    JR岩見沢駅  約 6億円
④市民との協働
  岩見沢レンガプロジェクト事務局 : 市民有志で立ち上げ
 ◎刻印レンガ募集プロジェクトIMG_2327
  インターネットで呼びかけた結果、世界中から応募があり、その数4,777本。完成後,自分のレンガを探す人々の姿がある。
 ◎北海道教育大学等、学生の皆さんの参加による各種イベントの開催
5.所感
 駅舎の焼失という想定外の出来事によって、駅舎を新築することになり、設計・建設について公募型デザインコンペを提案したのは、JRの方であった。市担当者の方の話によると、JRに大変熱心な方がおられて、強くコンペを実施することを提案されたのだという。駅が利用者に質の高い場を提供するだけでなく、時代が変わっても地域文化を担い、地域交流の拠点となる変わらない価値をもつ「駅らしい駅」を追求したいという思いがあったようだ。そこで、併せて、自由通路についても、デザインを統一することになった。
 市とJRの複合施設として建設することの合意をした際、建設費をどうするかについても、協議されたと思うが、JRが負担したのは、JR岩見沢駅舎1321㎡約6億円部分だけである。市の負担が大きかったと思料される。
 本市の鹿児島駅周辺整備につていは、大規模空閑地の土地利用について、今年度、実施設計がなされ、27年度工事着工、28年度供用開始の予定である。併せて、今年度は、駅前広場、鹿児島駅駅舎改築の検討、JR日豊線をつなぐ自由通路設置等の検討を行うことになっている。
 JR九州とどのような協議を進めていくのか、大変重要な時期にきていると思料する。
 JR九州に対し、今後の鹿児島駅の果たす役割の大きさ、つまり、27年度磯地区が世界遺産に登録された場合、重要な交通結節地点であること等を強くアピールする必要があると思料する。
 市民との協働も大切な視点であり、様々なまちづくり団体が活動を展開している。そのような点も、JR九州に是非理解していただきたい。
 岩見沢駅舎は、空間を生かした明るい開放的なデザインで、目を引く一方、偶然、出会った利用者から、「入口はどこですか?」と尋ねられたように、駅という概念を覆す斬新なデザインである。新しい感覚を取り入れるという意味では、コンペも選択肢の一つにあっても良いのではないだろうか。
 市当局もJR九州との協議に臨む際、駅舎が、地域交流の変わらない拠点というJR北海道の視点を、JR九州にももっていただくよう要請すべきと感じた。